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ネットワーク

第11幕

今回はLANの規格についての会話です。代表的なものには、イーサネット、トークンリング、FDDIがあります。これらのLANは、使用するケーブルや信号、方式にそれぞれ特徴があり、性能・機能、規模、そして値段が異なるため、自然と利用するものが企業によって分かれます。
ここでは、一般のオフィス、また個人ユーザが利用しているイーサネット規格のお話です。

「ボーノ先生!LANケーブル、ネットワーキングデバイスなどの説明をしてもらいましたが、どの企業でも同じような形態をとっているのですか?」

「う~~ん、そうだね、ほとんどが同じ形態をとっていると思っていいよ。でも、LANの歴史をたどるといろいろな規格が生まれたんだよ。」

「というと、LANにはいくつか種類があるんですか?」


「もちろん、LANにはいくつか種類があるんだ。イーサネット、トークンリング、FDDI、ATMなど。」


「じゃ~、今までお話をしてもらったものはどれですか?」


「それは、イーサネット(Ethernet)というものだよ。その他のトークンリング、FDDIなどは企業や工場などで利用されているよ。僕たちが勉強するのはイーサネットの知識で十分だから、今回はこのイーサネットについて説明するね。」

「はーい。でも、イーサネットという言葉の意味って何ですか?」


「イーサネットの「イーサ」は大昔に光の媒体として宇宙の隅々まで満たしているものだと考えられた仮想の物質、エーテル(Ether)から付けられたと言われているんだ。この世界をカバーできるネットワークという意味かな。」

「名前の由来って、けっこうおもしろいですね。」


「じゃ、話を戻すね。LANの規格を話すうえで必要なものに、「IEEE」(アイ・トリプル・イー)があるんだ。」


「う?何か難しそう・・・!」


「IEEEは「The Institute of Electrical and Electronics Engineers」の略で、米国電気電子技術者協会のこと。この組織がLANの標準化を行い、テーマごとにワーキンググループを作り、それぞれのグループで標準化の作業を行っているんだ。以下の表が例だよ。」

「イーサネットは『802.3』ですね。」


「イーサネットの正式名称が『IEEE802.3』だよ。この標準化が策定された時に、イーサネットという言葉がなくなるはずだったけど、あまりにも認知度が浸透していたので、今でもイーサネットと呼んでいるのが現状だよ。」

「じゃ~、私たちは今、イーサネットを利用していると考えていいんですね。」


「はは~~ぁ。じゃないんだね。イーサネットにもいくつか種類があるんだよ。」


「ええ~っ!まだ分かれるんですか?」


「うん。イーサネットの規格にはいくつかあるけど、それを表現する形式があるんだ。下の図を見てごらん。」


「2種類あるみたいですね。」


「最後が数字か、またはアルファベットの違いだね。最後が数字だと伝送距離、つまり1本のケーブルで最大どこまで電気信号が届くかを意味するんだ。最後がアルファベットだと、使われている伝送媒体の種類となる。『T』だとツイストペアケーブル、『F』だと光ファイバーだよ。」

「なるほど・・・。この形式だと、どのイーサネットを使っているのかが分かるようになっているんだ。」


「例えば、10BASE5であれば、伝送速度が10Mbps、伝送方式がベースバンド方式、最大伝送距離が500mとなる。」

「10BASE5の伝送媒体は何になるんですか?」


「10BASE5や10BASE2という規格は、どれも同軸ケーブルを使っているんだ。10BASE5は太めの同軸ケーブルだから500mまで電気信号が届くけど、10BASE2は細めの同軸ケーブルを使っているから185mまでしか届かないんだよ。」

「数字だとすべて同軸ケーブルだから、あとはどこまで電気信号が届くかで、ケーブルが太いか細いかが分かるんですね。なるほど~。じゃ~、10BASE-Tはどこまで電気信号が届くんですか?」

「どのツイストペアケーブルでも100mと決まっているから、距離を知る必要はないよね。」


「ですね。いろんな種類があるんでしょうね。」


「じゃ~、表にまとめてみると次のようになるんだ。」


「伝送速度が異なるごとに分かれているのが分かりますね。」


「現在はファストイーサネットが主流となっているけど、ギガイーサネットに移行しつつあるね。速度が速い特徴があるけど、すべての機器がこの速度に対応していないと実現できないので、全面的に移行するには、もう少し時間がかかりそうだね。」

「速くなるということは良いですね。では、私たちのネットワークも速いイーサネットに切り替えてみましょうよ。」


「いやいや、まだ価格的に高いから・・まだイーサ。」


「あれあれ~~!」


私たちの利用しているLANは、ほとんどがイーサネット規格のものです。イーサネットが広く使われることによって、機器の値段が安くなり、しかもどこでも入手できることで、さらに普及が広がってきました。

当初のイーサネットは、10BASE5、10BASE2でした。しかし、同軸ケーブルの性質上、ケーブルの引き廻しが難しかったのですが、ツイストペアケーブルが登場してから一気に一般のオフィスにも採用できるようになりました。

次のお話はイーサネット規格の詳細についてボーノ先生が説明してくれます。

【第11幕:LANの規格】